カブトムシの飼育完全ガイド|適温・寿命・年間カレンダーをデータで整理

カブトムシの飼育完全ガイド|適温・寿命・年間カレンダーをデータで整理のイメージ カブトムシ

カブトムシは、成虫だけを見て飼い方を決めると迷いやすい虫です。幼虫のときと成虫のときでは、食べるものも、ちょうどよい温度も、お世話のしかたも変わります。

虫の飼い方は、種類が違えば同じではありません。ひとまとめの情報を読む前に、飼っている虫がどの種類で、いまどの姿なのかを確かめましょう。この記事では、表を使って一年の流れと、用意するものを順に整理します。

おとなと幼虫では、育て方がぜんぜんちがう

種類別のデータ表では、まず自分の虫の列を見つけます。次に、冬をこすかどうかを確かめてください。冬をこさない種類は、秋に成虫がいなくなることがあります。これは寿命による自然な流れで、お世話が足りなかったとは限りません。

成虫と幼虫をくらべる表では、同じカブトムシでも、実質はべつの生き物のように考えると分かりやすくなります。ちょうどよい温度も、ごはんも、してあげることも違います。「この姿でいる時間」を見比べると、この虫の一生の大半は幼虫の姿だと分かります。成虫を飼うつもりで始めても、長く向き合うのは幼虫のお世話です。

表の数値や大切な注意は、対応する脚注の出典といっしょに確認してください。資料によって幅がある点は、表の説明を優先して判断します。

カブトムシは、おとなと幼虫でぜんぜんちがう
おとなの虫 幼虫
この姿でいる時間 2〜3ヶ月 10〜12ヶ月
ちょうどよい温度 20〜28℃ 20〜25℃
ごはん 昆虫ゼリー 土(発酵マット)
やってあげること ごはんを切らさない・つかまる木を入れる 土を新しくする・かわいていないか見る
やってはいけないこと 日なたや暑い場所に置く さなぎになる前後に掘り返す(羽がのびないまま育つ)

一年のお世話カレンダー

年間カレンダーは、虫の姿に合わせて「いまは何をしないほうがよいか」も読む表です。とくに、さなぎになる前後は土を掘り返さず、ケースを大きく動かさないことが大切です。

冬をこす種類と、冬をこさない種類では、一年の流れが変わります。このカレンダーは、表の見出しにある種類の流れです。別の虫を飼うときは、その虫用のカレンダーを見てください。温度や土のようすは、置き場所でも変わるため、温度計で確かめながら表を目安にします。

おとなの虫が冬をこせない種類(カブトムシ)の一年のお世話
いつ 虫のようす やること 気をつけること
1月 幼虫 土がかわいていないか見るだけでよい。あまり動かなくても心配ない。 暖かい部屋に置くと早く育ちすぎて、小さいおとなの虫になる。玄関や北向きの廊下など、すずしい場所が向く。
2月 幼虫 ひきつづき、かわいていないかだけ見る。 寒い時期はあまり動かないので、土を新しくしなくてよい。
3月 幼虫 さなぎになる前の、最後の土の入れかえをする。 4月からの入れかえは「さなぎの部屋」をこわしてしまう。かえるならこの時期が最後。
4月 幼虫〜さなぎになる前 ケースを動かさない。土もかえない。 さなぎの部屋(土の中に作る、さなぎで過ごすための空間)をこわすと、羽がのびないまま育ってしまう。掘り返さない。
5月 さなぎ そっとしておく。ゆらさない。 この時期に掘り出すのがいちばんの失敗のもと。姿が見えなくても大丈夫。
6月 さなぎ〜おとなの虫になるころ 待つ。ケースの横から見えることもある。 おとなになったばかりの虫は体がやわらかい。さわると形がくずれてしまう。
7月 おとなの虫(ごはんを食べはじめる) 土の上に出てきたら昆虫ゼリーをあげはじめる。つかまる木を入れる。 おとなになってもすぐには食べない。自分から出てくるまで掘り出さない。
8月 おとなの虫(いちばん元気な時期・たまごを産む) たまごを産ませるなら、土を深く入れてオスとメスをいっしょにする。ゼリーを切らさない。 日なたに置いた場所や、しめきった車の中は、短い時間でも危ない。
9月 おとなの虫の終わり/たまご〜小さい幼虫 おとなの虫を別のケースに移し、たまごの入った土はそのままにしておく。 おとなの虫がいなくなるのは寿命であって、お世話の失敗ではない。いっしょにしておくと、たまごをつぶしてしまう。
10月 小さい幼虫 幼虫を見つけて、1ぴきずつ別の入れものに分ける。 小さいうちは体がやわらかい。手でつままず、スプーンなどで土ごとすくう。
11月 大きくなってきた幼虫 土を新しくする。フンが目立ってきたら入れかえの合図。 フンばかりになった土は、もう栄養がない。そうなる前にかえる。
12月 幼虫 かわいていないか見る。あとは春まで、ほとんど手をかけなくてよい。 水を入れすぎるとカビや小さいハエのもとになる。にぎって形が残るくらいがちょうどよい。

そろえるもの

用品表は、全部を同じ目的で買うための表ではありません。成虫を元気に過ごさせるもの、幼虫のごはんになるもの、たまごを産ませるためのものがあります。

とくに大事なのは、虫によってたまごを産む場所が違うことです。カブトムシはマットに直接たまごを産みます。買い足す前に、自分の虫の行を見て、産卵場所と必要な土を確かめましょう。表にある注意は、脚注の出典もあわせて確認してください。

そろえるもの
いるもの なんのため えらび方 気をつけること
飼育ケース 虫を飼う入れもの。 1ぴきなら横はば23cmくらい、2〜3びきなら30〜37cmくらいが目安。ふたのあなが細かいものは、小さいハエが入りにくい。 ヒラタクワガタのように気の強い虫は、たまごを産ませるとき以外は1ぴきずつ分ける。
成虫用マット(床材) ケースの底にしく土。しめり気をたもって、かくれる場所になる。 深さ5〜10cmが目安。にぎって形が残り、水がしたたらないくらいにしめらせる。 幼虫を育てる土とは別のもの。おとなの虫用は、栄養よりも「しめり気」と「もぐりやすさ」でえらぶ。
昆虫ゼリー おとなの虫の主なごはん。 売っている昆虫ゼリーで足りる。種類をえらぶことより、切らさないことのほうが大事。 スイカのような水分の多いくだものは、おなかをこわしたり小さいハエがわいたりする。主なごはんにはしない。
餌皿 ゼリーを固定して、土にうまらないようにする。 ゼリーのカップがはまるくぼみのあるもの。つかまる木をかねた形だと使いやすい。
転倒防止材(樹皮・小枝) ひっくり返った虫が起き上がるための足場。 木の皮や小枝など、つめが引っかかるもの。 起き上がれないまま弱ってしまう事故は、これを入れるだけで防げる。いちばん忘れられやすい。
産卵用マット(深敷き) メスが土の中に直接たまごを産むための、深くしいた土。 よく発酵した土を深さ10〜15cm入れ、下半分はかたくつめる。 浅いと産まない。木はいらないが、そのぶん土の量と質で決まる。
発酵マット(幼虫用) 幼虫のごはんそのもの。 きのこマット・完熟マットなど、幼虫用として売られているもの。 入れかえの目安は3ヶ月くらい。フンばかりになってからでは遅い。
温度計 虫を置く場所の、本当の温度を知る。 部屋ではなく、ケースを置くその場所に付ける。 部屋の温度と、日の当たるたなの上の温度はちがう。守れているかは、はかってみないと分からない。

飼う前に決めておきたいのは、成虫だけを見守るのか、たまごから幼虫まで育てるのかです。決めると、必要なケース、土、置き場所が見えてきます。

まずは自分の虫の種類と今の姿を確かめます。次に表で、ちょうどよい温度、ごはん、今の時期のお世話を見ましょう。毎日少し観察して、食べ方や土のようすの変化に気づくことが、無理のないお世話につながります。

出典

本文の数値は次の資料を参照しています。飼育データは出典によって幅があるため、本文では幅のまま示し、確認できなかった項目は「未確認」と記載しています。

あわせて読みたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました