カブトムシ・クワガタとひとまとめにしても、くらし方は同じではありません。カブトムシは、おとなの虫として楽しめる時期から、そのあとの世話までを続けて考える虫です。
この記事では、おとなの虫を迎えたときの世話、たまごを次の世代へつなぐ準備、幼虫を待つ時期の見守り方を説明します。表を見ながら、家で置ける場所と、次の世代まで育てるかを決めましょう。
この虫は、こういう虫
まず見るのは「おとなの虫でいる期間」と「冬をこせる?」です。おとなの虫をどれくらい見守るかと、来年も同じ虫を飼えるかが分かります。カブトムシは「冬をこせる?」の答えを先に知っておくと、おとなの虫が弱っていく時期にも、次の世代を育てる準備へ気持ちを切りかえやすくなります。温度の行は、ケースを置く場所が合っているか確かめる目安にしてください。
| しらべること | この虫の場合 |
|---|---|
| 大きさ(オス) | 未確認 |
| おとなの虫でいる期間 | 2〜3ヶ月 |
| 冬をこせる? | こせない |
| おとなのちょうどよい温度 | 20〜28℃ |
| 幼虫のちょうどよい温度 | 20〜25℃ |
| 育てやすさ | やさしい |
| 夏に冷やす道具 | いらない |
育てやすさと、その理由
やさしい。たまごから おとなの虫になるまで、売っている発酵マットだけで足りる。おとなの虫は暑さにも比較的強く、はじめの一ぴきに向く。
育てやすさを見てカブトムシを選ぶなら、おとなの虫を楽しむだけにするか、たまごから次の世代まで育てるかを先に決めておくと安心です。次の世代を育てるなら、土を入れたケースを置く場所と、幼虫を分けて育てる入れものも用意しておきましょう。
ほかの虫とどうちがうか
最初の表は、カブトムシだけを見る表です。おとなの虫でいる期間が短いことは、夏に迎えたら、そのまま秋までの見通しも考える必要があることを教えてくれます。
次の表は、ノコギリクワガタと迷ったときに見る表です。おとなの虫でいる期間、幼虫でいる期間、育てやすさのちがいは、どのくらい長く世話を続けるかに関わります。また、「たまごを産む場所」と「土(マット)の深さ」のちがいは、産卵のために用意する土の扱いを変えます。カブトムシでは、メスが土の中に直接たまごを産むことを中心に準備してください。
| ほかの虫とちがうところ | この虫の場合 |
|---|---|
| おとなの虫でいる期間 | 2〜3ヶ月 |
| しらべること | カブトムシ | ノコギリクワガタ |
|---|---|---|
| 大きさ(オス) | 未確認 | 21〜77mm |
| おとなの虫でいる期間 | 2〜3ヶ月 | 2〜4ヶ月 |
| 育てやすさ | やさしい | ふつう |
| 幼虫でいる期間 | 10〜12ヶ月 | 12〜24ヶ月 |
| 1ぴきのメスが産むたまごの数 | 20〜30こ | 未確認 |
| 土(マット)の深さ | 10〜15cm | 未確認 |
おとなの虫でいるあいだ
カブトムシの世話は、おとなの虫が土の上に出てごはんを食べはじめるところから始まり、たまご、小さい幼虫、大きくなる幼虫、さなぎへと続きます。さなぎからおとなの虫になっても、すぐに掘り出さず、自分から出てくるまで待ちます。おとなの虫が終わるころには、土の中に次の世代がいるかもしれません。表を順に読むと、世話の中心が、おとなの虫のごはんから幼虫の土の管理へ移る流れが分かります。
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 7月 | おとなの虫(ごはんを食べはじめる) | 土の上に出てきたら昆虫ゼリーをあげはじめる。つかまる木を入れる。 | おとなになってもすぐには食べない。自分から出てくるまで掘り出さない。 |
| 8月 | おとなの虫(いちばん元気な時期・たまごを産む) | たまごを産ませるなら、土を深く入れてオスとメスをいっしょにする。ゼリーを切らさない。 | 日なたに置いた場所や、しめきった車の中は、短い時間でも危ない。 |
おとなの虫は、その年かぎり
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 9月 | おとなの虫の終わり/たまご〜小さい幼虫 | おとなの虫を別のケースに移し、たまごの入った土はそのままにしておく。 | おとなの虫がいなくなるのは寿命であることが多く、お世話の失敗とはかぎらない。いっしょにしておくと、たまごをつぶしてしまうことがある。 |
| 10月 | 小さい幼虫 | 幼虫を見つけて、1ぴきずつ別の入れものに分ける。 | 小さいうちは体がやわらかい。手でつままず、スプーンなどで土ごとすくう。 |
次の年の幼虫を育てる
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 11月 | 大きくなってきた幼虫 | 土を新しくする。フンが目立ってきたら入れかえの合図。 | フンばかりになった土は、もう栄養がない。そうなる前にかえる。 |
| 12月 | 幼虫 | かわいていないか見る。あとは春まで、ほとんど手をかけなくてよい。 | 水を入れすぎるとカビや小さいハエのもとになる。にぎって形が残るくらいがちょうどよい。 |
| 1月 | 幼虫 | 土がかわいていないか見るだけでよい。あまり動かなくても心配ない。 | 暖かい部屋に置くと早く育ちすぎて、小さいおとなの虫になる。玄関や北向きの廊下など、すずしい場所が向く。 |
| 2月 | 幼虫 | ひきつづき、かわいていないかだけ見る。 | 寒い時期はあまり動かないので、土を新しくしなくてよい。 |
| 3月 | 幼虫 | さなぎになる前の、最後の土の入れかえをする。 | 4月からの入れかえは「さなぎの部屋」をこわしてしまう。かえるならこの時期が最後。 |
さなぎになるのを待つ
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 4月 | 幼虫〜さなぎになる前 | ケースを動かさない。土もかえない。 | さなぎの部屋(土の中に作る、さなぎで過ごすための空間)をこわすと、羽がのびないまま育つことがある。掘り返さない。 |
| 5月 | さなぎ | そっとしておく。ゆらさない。 | この時期に掘り出すのがいちばんの失敗のもと。姿が見えなくても大丈夫。 |
| 6月 | さなぎ〜おとなの虫になるころ | 待つ。ケースの横から見えることもある。 | おとなになったばかりの虫は体がやわらかい。さわると形がくずれてしまう。 |
たまごと幼虫
「たまごを産む場所」が土の中であることから、産卵させるなら深くしいた産卵用マットを用意します。メスが直接たまごを産むので、土を十分に使い、土の下のほうはかたくつめます。
幼虫のごはんは土(発酵マット)です。産卵用の土と、幼虫を育てるための土を、それぞれの役目に合わせて用意しましょう。幼虫でいる期間と、メスが産むたまごの数の行も見て、置き場所や入れものに余裕を持たせてください。
| しらべること | この虫の場合 |
|---|---|
| たまごを産む場所 | 土の中 |
| 幼虫のごはん | 土(発酵マット) |
| 幼虫でいる期間 | 10〜12ヶ月 |
| 1ぴきのメスが産むたまごの数 | 20〜30こ |
| 土(マット)の深さ | 10〜15cm |
そろえるもの
用品を買い足す前に、表で自分が育てたい場面を確かめましょう。おとなの虫を飼うためのものと、たまごを産ませるためのもの、幼虫を育てるためのものでは、土の役目がちがいます。ケースを置く場所には温度計を付けて、ケースの近くの温度を見ながら整えてください。
| いるもの | なんのため | えらび方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 飼育ケース | 虫を飼う入れもの。 | 1ぴきなら横はば23cmくらい、2〜3びきなら30〜37cmくらいが目安。ふたのあなが細かいものは、小さいハエが入りにくい。 | 気の強い種類は、たまごを産ませるとき以外は1ぴきずつ分ける。 |
| 成虫用マット(床材) | ケースの底にしく土。しめり気をたもって、かくれる場所になる。 | 深さ5〜10cmが目安。にぎって形が残り、水がしたたらないくらいにしめらせる。 | 幼虫を育てる土とは別のもの。おとなの虫用は、栄養よりも「しめり気」と「もぐりやすさ」でえらぶ。 |
| 昆虫ゼリー | おとなの虫の主なごはん。 | 売っている昆虫ゼリーで足りる。種類をえらぶことより、切らさないことのほうが大事。 | スイカのような水分の多いくだものは、おなかをこわしたり小さいハエがわいたりする。主なごはんにはしない。 |
| 餌皿 | ゼリーを固定して、土にうまらないようにする。 | ゼリーのカップがはまるくぼみのあるもの。つかまる木をかねた形だと使いやすい。 | — |
| 転倒防止材(樹皮・小枝) | ひっくり返った虫が起き上がるための足場。 | 木の皮や小枝など、つめが引っかかるもの。 | 起き上がれないまま弱ってしまう事故を減らせる。いちばん忘れられやすいもの。 |
| 産卵用マット(深敷き) | メスが土の中に直接たまごを産むための、深くしいた土。 | よく発酵した土を深さ10〜15cm入れ、下半分はかたくつめる。 | 浅いと産みにくくなる。木はいらないが、そのぶん土の量と質で決まる。 |
| 発酵マット(幼虫用) | 幼虫のごはんそのもの。 | きのこマット・完熟マットなど、幼虫用として売られているもの。 | 入れかえの目安は3ヶ月くらい。フンばかりになってからでは遅い。 |
| 温度計 | 虫を置く場所の、本当の温度を知る。 | 部屋ではなく、ケースを置くその場所に付ける。 | 部屋の温度と、日の当たるたなの上の温度はちがう。守れているかは、はかってみないと分からない。 |
カブトムシを迎える前に、おとなの虫を楽しむ期間と、そのあと次の世代まで育てるかを決めましょう。次の世代を育てるなら、産卵用の深い土、幼虫用の土、ケースを置く場所を先に用意します。おとなの虫が終わることも、次の世代へ世話がつながる合図として受け止めると、カブトムシのくらしを最後まで見守れます。
出典
本文の数値と、月ごとの世話のしかたは、項目ごとに次の資料を参照しています。飼育データは出典によって幅があるため、本文では幅のまま示し、確認できなかった項目は「未確認」と記載しています(推測では埋めていません)。
| なにについて | しらべたこと | 見た資料 |
|---|---|---|
| カブトムシ | おとなの虫でいる期間 / 冬をこせる? / おとなのちょうどよい温度 / 1ぴきのメスが産むたまごの数 / 土(マット)の深さ | www.dcm-hc.co.jp/howto/guide/g_pet/20200513152532.html |
| カブトムシ | 幼虫のちょうどよい温度 / 幼虫のごはん / 幼虫でいる期間 | kuwakabu.tsukiyono.co.jp/manual/kabutomusi/kabuto-larva |
| カブトムシ | たまごを産む場所 / おとなのごはん / 育てやすさ | www.komeri.com/contents/howto/html_new/04370 |
| そろえるもの | 飼育ケース / 昆虫ゼリー / 餌皿 / 転倒防止材(樹皮・小枝) | www.komeri.com/contents/howto/html_new/04370 |
| そろえるもの | 成虫用マット(床材) | kuwakabu.tsukiyono.co.jp/manual/kuwagata/imago |
| そろえるもの | 産卵用マット(深敷き) | www.dcm-hc.co.jp/howto/guide/g_pet/20200513152532.html |
| そろえるもの | 発酵マット(幼虫用) | kuwakabu.tsukiyono.co.jp/manual/kabutomusi/kabuto-larva |
| 一年のお世話(おとなの虫が冬をこせない種類) | 1月:幼虫 / 2月:幼虫 / 3月:幼虫 / 4月:幼虫〜さなぎになる前 / 5月:さなぎ / 6月:さなぎ〜おとなの虫になるころ / 9月:おとなの虫の終わり/たまご〜小さい幼虫 / 10月:小さい幼虫 / 11月:大きくなってきた幼虫 / 12月:幼虫 | kuwakabu.tsukiyono.co.jp/manual/kabutomusi/kabuto-larva |
| 一年のお世話(おとなの虫が冬をこせない種類) | 7月:おとなの虫(ごはんを食べはじめる) / 8月:おとなの虫(いちばん元気な時期・たまごを産む) | www.komeri.com/contents/howto/html_new/04370 |
| 一年のお世話(おとなの虫が冬をこせない種類) | 8月:おとなの虫(いちばん元気な時期・たまごを産む) / 9月:おとなの虫の終わり/たまご〜小さい幼虫 | www.dcm-hc.co.jp/howto/guide/g_pet/20200513152532.html |


コメント