ミヤマクワガタは、カブトムシ・クワガタとひとまとめにはできない虫です。とくに夏の暑さへの強さが、毎日のお世話を大きく変えます。
このページでは、迎える前に決めたい置き場所と冷やす方法、おとなの虫でいられる時期、たまごから次の世代を育てる流れを説明します。まずは、夏に温度を守れるかを確かめましょう。
この虫は、こういう虫
まず「夏に冷やす道具」と「おとなのちょうどよい温度」を見て、置き場所を決めましょう。次に「冬をこせる?」を見ます。この行は、来年も同じおとなの虫を飼えるかどうかを考える目じるしです。大きさ(オス)が未確認であることは、表にない数字で補わず、そのまま受け取りましょう。
| しらべること | この虫の場合 |
|---|---|
| 大きさ(オス) | 未確認 |
| おとなの虫でいる期間 | 3〜6ヶ月 |
| 冬をこせる? | こせない |
| おとなのちょうどよい温度 | 16〜22℃ |
| 幼虫のちょうどよい温度 | 20〜22℃ |
| 育てやすさ | むずかしい |
| 夏に冷やす道具 | いる |
育てやすさと、その理由
むずかしい。高い山のすずしい場所に合わせて生きている種で、表の上限をこえる場所が続くと弱ってしまう。日本の夏を部屋の温度のままでは過ごせないので、冷やす道具が要る。
飼う前に、夏のあいだも温度を見られる場所と、冷却設備を使えるかを決めておきましょう。家を留守にする日も、ケースの近くの温度を確かめられるようにしておくと安心です。
ほかの虫とどうちがうか
最初の表では「おとなの虫でいる期間」と「おとなのちょうどよい温度」を見てください。この二つは、おとなの虫を迎えてから、いつまで、どんな場所で世話をするかに関わります。
「ミヤマクワガタとノコギリクワガタのちがい」では、まず「夏に冷やす道具」と「おとなのちょうどよい温度」をくらべましょう。ここがちがうと、夏の置き場所と用意する道具が変わります。「育てやすさ」と「幼虫のちょうどよい温度」も、次の世代まで育てるなら大切です。数字が未確認の行は、ほかの資料の数字で埋めず、個体や育った環境によるちがいがあるものとして扱いましょう。
| ほかの虫とちがうところ | この虫の場合 |
|---|---|
| おとなの虫でいる期間 | 3〜6ヶ月 |
| おとなのちょうどよい温度 | 16〜22℃ |
| しらべること | ミヤマクワガタ | ノコギリクワガタ |
|---|---|---|
| 大きさ(オス) | 未確認 | 21〜77mm |
| おとなの虫でいる期間 | 3〜6ヶ月 | 2〜4ヶ月 |
| おとなのちょうどよい温度 | 16〜22℃ | 20〜28℃ |
| 幼虫のちょうどよい温度 | 20〜22℃ | 20〜25℃ |
| 育てやすさ | むずかしい | ふつう |
| 夏に冷やす道具 | いる | いらない |
| 幼虫でいる期間 | 未確認 | 12〜24ヶ月 |
夏をどうやってすごさせるか
この虫は、まわりの温度が25℃をこえたまま続くとよわってしまいます。日本の夏は、家の中でもこの温度をこえる日があります。飼いはじめる前に、夏のあいだ温度を下げておける場所を決めてください。置き場所が決まらないうちは、この虫を迎えないほうがよいです。
ミヤマクワガタは、冷やす道具を使う前提で迎える虫です。「おとなのちょうどよい温度」を保てる場所にケースを置き、温度計はケースを置く場所で見ます。日なた、熱のこもるたな、しめきった車の中は、短い時間でも温度が上がりやすいため避けましょう。冷却設備を使っても、実際の温度を確かめることが大切です。
おとなの虫でいるあいだ
土の中からおとなの虫が出てごはんを食べはじめたら、おとなの虫の世話が始まります。たまごを産ませた場合は、おとなの虫とたまごの入った土を分け、その後は幼虫を育てます。土の入れかえを終えたら、さなぎになる時期は動かさず待ちます。次のおとなの虫が出てくるまで、世話の中心が「食べるおとなの虫」から「土の中で育つ幼虫」へ移っていく流れです。
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 7月 | おとなの虫(ごはんを食べはじめる) | 土の上に出てきたら昆虫ゼリーをあげはじめる。つかまる木を入れる。 | おとなになってもすぐには食べない。自分から出てくるまで掘り出さない。 |
| 8月 | おとなの虫(いちばん元気な時期・たまごを産む) | たまごを産ませるなら、土を深く入れてオスとメスをいっしょにする。ゼリーを切らさない。 | 日なたに置いた場所や、しめきった車の中は、短い時間でも危ない。 |
おとなの虫は、その年かぎり
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 9月 | おとなの虫の終わり/たまご〜小さい幼虫 | おとなの虫を別のケースに移し、たまごの入った土はそのままにしておく。 | おとなの虫がいなくなるのは寿命であることが多く、お世話の失敗とはかぎらない。いっしょにしておくと、たまごをつぶしてしまうことがある。 |
| 10月 | 小さい幼虫 | 幼虫を見つけて、1ぴきずつ別の入れものに分ける。 | 小さいうちは体がやわらかい。手でつままず、スプーンなどで土ごとすくう。 |
次の年の幼虫を育てる
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 11月 | 大きくなってきた幼虫 | 土を新しくする。フンが目立ってきたら入れかえの合図。 | フンばかりになった土は、もう栄養がない。そうなる前にかえる。 |
| 12月 | 幼虫 | かわいていないか見る。あとは春まで、ほとんど手をかけなくてよい。 | 水を入れすぎるとカビや小さいハエのもとになる。にぎって形が残るくらいがちょうどよい。 |
| 1月 | 幼虫 | 土がかわいていないか見るだけでよい。あまり動かなくても心配ない。 | 暖かい部屋に置くと早く育ちすぎて、小さいおとなの虫になる。玄関や北向きの廊下など、すずしい場所が向く。 |
| 2月 | 幼虫 | ひきつづき、かわいていないかだけ見る。 | 寒い時期はあまり動かないので、土を新しくしなくてよい。 |
| 3月 | 幼虫 | さなぎになる前の、最後の土の入れかえをする。 | 4月からの入れかえは「さなぎの部屋」をこわしてしまう。かえるならこの時期が最後。 |
さなぎになるのを待つ
| いつ | 虫のようす | やること | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 4月 | 幼虫〜さなぎになる前 | ケースを動かさない。土もかえない。 | さなぎの部屋(土の中に作る、さなぎで過ごすための空間)をこわすと、羽がのびないまま育つことがある。掘り返さない。 |
| 5月 | さなぎ | そっとしておく。ゆらさない。 | この時期に掘り出すのがいちばんの失敗のもと。姿が見えなくても大丈夫。 |
| 6月 | さなぎ〜おとなの虫になるころ | 待つ。ケースの横から見えることもある。 | おとなになったばかりの虫は体がやわらかい。さわると形がくずれてしまう。 |
たまごと幼虫
「たまごを産む場所」が土の中なので、たまごを産ませるなら産卵用マット(深敷き)を用意します。幼虫のごはんは「土(発酵マット)」なので、幼虫には発酵マット(幼虫用)を使います。「幼虫でいる期間」「1ぴきのメスが産むたまごの数」「土(マット)の深さ」は未確認です。表にない数字を足して決めず、土の状態と幼虫のようすを見ながら世話をしましょう。
| しらべること | この虫の場合 |
|---|---|
| たまごを産む場所 | 土の中 |
| 幼虫のごはん | 土(発酵マット) |
| 幼虫でいる期間 | 未確認 |
| 1ぴきのメスが産むたまごの数 | 未確認 |
| 土(マット)の深さ | 未確認 |
そろえるもの
買い足す前に「そろえるもの」の表で、何のために使う物かを確かめましょう。ミヤマクワガタでは、飼育ケースや昆虫ゼリーだけでなく、転倒防止材、冷却設備、温度計が大切です。たまごを産ませる場合と幼虫を育てる場合では土の役目がちがうため、成虫用マット(床材)、産卵用マット(深敷き)、発酵マット(幼虫用)を取りちがえないようにします。
| いるもの | なんのため | えらび方 | 気をつけること |
|---|---|---|---|
| 飼育ケース | 虫を飼う入れもの。 | 1ぴきなら横はば23cmくらい、2〜3びきなら30〜37cmくらいが目安。ふたのあなが細かいものは、小さいハエが入りにくい。 | 気の強い種類は、たまごを産ませるとき以外は1ぴきずつ分ける。 |
| 成虫用マット(床材) | ケースの底にしく土。しめり気をたもって、かくれる場所になる。 | 深さ5〜10cmが目安。にぎって形が残り、水がしたたらないくらいにしめらせる。 | 幼虫を育てる土とは別のもの。おとなの虫用は、栄養よりも「しめり気」と「もぐりやすさ」でえらぶ。 |
| 昆虫ゼリー | おとなの虫の主なごはん。 | 売っている昆虫ゼリーで足りる。種類をえらぶことより、切らさないことのほうが大事。 | スイカのような水分の多いくだものは、おなかをこわしたり小さいハエがわいたりする。主なごはんにはしない。 |
| 餌皿 | ゼリーを固定して、土にうまらないようにする。 | ゼリーのカップがはまるくぼみのあるもの。つかまる木をかねた形だと使いやすい。 | — |
| 転倒防止材(樹皮・小枝) | ひっくり返った虫が起き上がるための足場。 | 木の皮や小枝など、つめが引っかかるもの。 | 起き上がれないまま弱ってしまう事故を減らせる。いちばん忘れられやすいもの。 |
| 産卵用マット(深敷き) | メスが土の中に直接たまごを産むための、深くしいた土。 | よく発酵した土を深さ10〜15cm入れ、下半分はかたくつめる。 | 浅いと産みにくくなる。木はいらないが、そのぶん土の量と質で決まる。 |
| 発酵マット(幼虫用) | 幼虫のごはんそのもの。 | きのこマット・完熟マットなど、幼虫用として売られているもの。 | 入れかえの目安は3ヶ月くらい。フンばかりになってからでは遅い。 |
| 冷却設備(ワインセラー・冷房) | 夏の部屋の温度を、その虫が耐えられる温度より下げておくための道具。 | 温度を一定にたもてるもの。温度計といっしょに使って、実際の温度をたしかめる。 | すずしい山にすむ虫や、暑さに弱い虫は、日本の夏を部屋の温度のままでは過ごしにくい。これがあるかどうかで飼えるかが決まることがある。 |
| 温度計 | 虫を置く場所の、本当の温度を知る。 | 部屋ではなく、ケースを置くその場所に付ける。 | 部屋の温度と、日の当たるたなの上の温度はちがう。守れているかは、はかってみないと分からない。 |
ミヤマクワガタを迎える前に、夏に冷やせる置き場所、温度を確かめる方法、おとなの虫はその年かぎりであることを家族で決めておきましょう。その準備ができれば、土の中で育つ次の世代まで、落ち着いて見守れます。
出典
本文の数値と、月ごとの世話のしかたは、項目ごとに次の資料を参照しています。飼育データは出典によって幅があるため、本文では幅のまま示し、確認できなかった項目は「未確認」と記載しています(推測では埋めていません)。
| なにについて | しらべたこと | 見た資料 |
|---|---|---|
| ミヤマクワガタ | おとなの虫でいる期間 / 冬をこせる? / おとなのちょうどよい温度 | www.bepal.net/archives/256270 |
| ミヤマクワガタ | 夏にこえさせない温度 / 育てやすさ | br-choku.com/column/miyama-kuwagata-care-guide |
| ミヤマクワガタ | 幼虫のちょうどよい温度 / たまごを産む場所 / 幼虫のごはん | www.mushikichi.com/blog/lucanus-maculifemoratus |
| ミヤマクワガタ | おとなのごはん | www.komeri.com/contents/howto/html_new/04370 |
| そろえるもの | 飼育ケース / 昆虫ゼリー / 餌皿 / 転倒防止材(樹皮・小枝) | www.komeri.com/contents/howto/html_new/04370 |
| そろえるもの | 成虫用マット(床材) | kuwakabu.tsukiyono.co.jp/manual/kuwagata/imago |
| そろえるもの | 産卵用マット(深敷き) | www.dcm-hc.co.jp/howto/guide/g_pet/20200513152532.html |
| そろえるもの | 発酵マット(幼虫用) | kuwakabu.tsukiyono.co.jp/manual/kabutomusi/kabuto-larva |
| そろえるもの | 冷却設備(ワインセラー・冷房) | br-choku.com/column/miyama-kuwagata-care-guide |
| 一年のお世話(おとなの虫が冬をこせない種類) | 1月:幼虫 / 2月:幼虫 / 3月:幼虫 / 4月:幼虫〜さなぎになる前 / 5月:さなぎ / 6月:さなぎ〜おとなの虫になるころ / 9月:おとなの虫の終わり/たまご〜小さい幼虫 / 10月:小さい幼虫 / 11月:大きくなってきた幼虫 / 12月:幼虫 | kuwakabu.tsukiyono.co.jp/manual/kabutomusi/kabuto-larva |
| 一年のお世話(おとなの虫が冬をこせない種類) | 7月:おとなの虫(ごはんを食べはじめる) / 8月:おとなの虫(いちばん元気な時期・たまごを産む) | www.komeri.com/contents/howto/html_new/04370 |
| 一年のお世話(おとなの虫が冬をこせない種類) | 8月:おとなの虫(いちばん元気な時期・たまごを産む) / 9月:おとなの虫の終わり/たまご〜小さい幼虫 | www.dcm-hc.co.jp/howto/guide/g_pet/20200513152532.html |

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